世界のウイスキー

およそ700種類に及ぶ世界中から集められたウイスキーのテイスティングノートや情報はこちらからご覧いただけます。現在は多くのテイスティングコメントを皆様にお届けするために、バッチ(製造年)違いである同一商品のテイスティングも掲載しておりますので、現在発売されているウイスキーの評価とは限りません。予めご了承ください。

テイスティング

Whisky Magazine ではウイスキー専門家、作家、愛飲家によるテイスティングを毎号開催し、その情報を皆さんにお届けしています。

推奨ボトル

テイスターが判定したポイントの規定によってSilver Recommended(銀賞)もしくは Gold Editors Choice(金賞)が毎号決定します。


オクトモア 12.2    57.3%

  • 蒸溜所名: ブルックラディ蒸溜所
  • 地域: アイラ
  • ブランド: レミーコアントロー
  • 価格帯: £121-180
  • 入手可能場所: 全世界
  • 掲載号:184号

フィービー・カルバーSCORE8.3

香り
バーベキューで焼いた肉のように、とてもリッチな匂い。スモーク香とスイートポークの匂いがする。シロップたぷりのモモの缶詰め、ホオズキの実、黒糖の明確な甘味。やがてエルダーフラワーやチョコレートフレークのようなやわらかな香り。
フルーツのような風味が、味覚ではよりはっきりと打ち出されてくる。バーベキューで焼いたモモのような風味が続いていく。ドライで土っぽい感触が現れて、スモーク風味も伴ってくる。やがてエルダーフラワーと粉砂糖の味わいが増して、土っぽい印象とのバランスをとっている。
フィニッシュ
余韻では土っぽい後味がいつまでも続く。
コメント
甘味と土っぽい香味との掛け合いが、本当に面白いウイスキー。相互に魅力を引き出しながら、うまくバランスをとっている。

クリストファー・コーツSCORE8.5

香り
薪で焼くオーブンの中で、作りたてのパン生地を焼いている。その上にはモッツァレラ、アーティチョーク、フレッシュなオレガノが乗っている。つまりピッツァのような匂い。糖化工程でできたばかりの麦汁のような甘いシリアルの匂い。かすかな酵母香。焼きリンゴの上のねっとりとした黒糖が、焦げていくような匂い。
口当たりはミディアムボディからフルボディ。最初は少しアルコールの辛味を感じるが、口に含むと穏やかに落ち着いてくる。スモークした麦汁のような風味もあり、今度は焼く前のパン生地を思わせる味わいに寄っている。スモークして焼いた洋ナシとブリーチーズを食べながら、ベリーニを飲んでいるような趣き。かすかにダブルクリームのような味わいも。
フィニッシュ
余韻は長い。スモークした洋ナシの後味。穏やかに霧散していく。
コメント
スピリッツの香味が全面に出た美しい仕上がり。個人的には、このスタイルがアイラモルトの魅力をよく表している。